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段階的なパスキー導入に対する投資とメリット

パスキー戦略を検討する際には、パスキー実装のコストとメリットを認識しておく必要があります。パスキーをサポートするには先行投資が必要です。初回リリース後は、ユーザーと組織に対して継続的な費用、節約、メリットが生じます。

note

このセクションで解説するコストは概算であり、独自のニーズに合わせて適応できる方向性を示すことを目的としています。一般的にパスキーに関連する人材と技術にかかるコストは、パスキー技術を社内で構築する場合と、ソリューションプロバイダーから購入する場合とで大きく変わることはありません。多くの場合、新しい技術を構築するか購入するかという企業全体の方針によって決まります。

技術獲得アプローチのコスト

パスキー技術の取得には様々なアプローチがあります。

  • パスキー技術の社内構築
  • ソリューションプロバイダーからの技術購入
  • すでに埋没費用として計上されている技術の実装
  • 初期はオープンソースツールとライブラリを使用、その後ソリューションプロバイダーに完全な実装を依頼

最初の2つのアプローチでは同様のコストが発生しますが、3番目は埋没費用になります。例えば、組織が現在、追加のライセンス料金なしでパスキー機能を提供する有料のコンシューマーアイデンティティおよびアクセス管理 (CIAM) のシステムを使用している場合、3番目のアプローチが可能です。CIAMプロバイダーがあらゆる業務要件に対応できる場合、パスキーにCIAMシステムを使用するとコスト削減につながる可能性があります。

tip

ソリューションプロバイダーを探すには、「FIDO認定ショーケース」にアクセスするか、ネットで「パスキーソリューションプロバイダー」と検索してください。

すべてのパスキープログラムの3つのフェーズ

  1. 立ち上げ」はパスキーの利用が開始されるまでの時間です。
  2. 業務目標の達成」は立ち上げ後から業務目標を達成するまでにかかる時間です。
  3. 継続的な使用 は、事業目標の達成後にはじまります。

立ち上げと業務目標達成までにかかるコスト

段階的なロールアウト戦略では、通常、最初のリリースまで 1 人のプロダクト マネージャーと 1 人のエンジニアがプロジェクトにフルタイムで取り組みます。一般的に、初回リリースまで、2 人の専任スタッフが担当します。

tip

組織は雇用者1人あたりにかかる年間平均総コストを把握しています。これは各組織および各部門ごとに異なります。このロールアウト戦略の実装に必要な人件費の概算を算出するには、雇用者の総勤続年数に雇用者1人あたりの年間平均コストを掛けます。

(雇用者の総勤続年数) x (雇用者1人当たりの年間平均総コスト) = 人件費の概算

人数勤務形態
2常勤61
1非常勤60.5
1非常勤40.15

継続的コスト

初回リリース後、 1 か月データ収集と顧客サポートに専念します。所属する組織では、パスキーをサービスのコードベースの一部として、サービスの他の領域と同様に扱う必要があります。チームは、継続してパスキーに時間を費やす必要はありません。製品マネージャーとリーダーは、コードベースの機能強化の優先順位を決定する必要があります。

継続的なテクノロジーコストは、API を提供するベンダーを使用するか、SaaS ソリューションを使用するかによって異なります。

API を提供するベンダー、または SaaS ソリューションを使用する予定の場合:

技術コストの割合
FIDO認定サーバー10%
SaaSソリューションを提供するベンダー90%

ベンダーを使用しない場合:

技術コストの割合
FIDO認定サーバー30%
計算 / 保存 / 転送70%
Helper ファイルをダウンロード

⤓エクセルファイルをダウンロード
passkey-worksheet-authentication-method-inventory-costs-and-user-experience-analysis.xlsx

この サンプル Excel ワークシート には、認証インベントリ、コスト分析、およびユーザー エクスペリエンス分析が含まれています。ワークシートには、2つのタブがあります。1つはサンプルデータを含み、もう1つは空白です。空白のタブに独自のデータを入力します。

継続的なメリット

パスキーの実装によるメリットは、パスキーを使用するユーザーの数に正比例します。

パスキーのコスト、メリット、導入の関係

パスキーの使用増加に伴う利点には、以下のようなものが挙げられます。

  • エンドユーザーエクスペリエンスの向上
    • より高いサインイン成功率
    • より迅速なサインイン
  • 事業の向上
    • フィッシング、クレデンシャルスタッフィング、アタックサーフェスの減少
    • カート放棄率の低下
    • アカウント回復時におけるパスワード再設定の必要性の低下
    • 顧客サポートの必要性の減少
    • 顧客ロイヤルティと顧客維持の向上
  • 以下の項目に関連するコストの削減
    • 悪意のある行為者のリアルタイムの監視・防御。
    • 従来の認証ソリューションの継続的な要塞化
    • パスワードを忘れた場合のアカウントロックアウトに起因するアカウントリセット
  • 認証に関連するSMSテキストメッセージにかかるサービスコストの削減
  • 重要なコンバージョンパスで離脱する顧客の減少
tip

その他の認証手段と比較したパスキーのコストと利益